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議会制民主主義の欠点

議会制民主主義は今日の民主主義国家で採用されている民主主義の手法であるといっても過言ではない。選挙を通じて政治を決める議会の場に代表者を送り、その代表者の会議によって運営の方針を決めるのが議会制民主主義だ。その最も採用されている民主主義にも欠点がある。


〇民意が正しく反映されるわけではない

まず国民の意見は十人十色であり、誰しもんが完全に一致した見解で意見が存在するということはまずありえない。同じ政治団体に所属し、大まかな政策が一致していても内部では政策の方向性については異なる党員が所属していることも多い。最もたる例は自由民主党で保守的な主張と革新的主張で内部での総裁争いが激しいのは総裁選挙を見ても明らかだ。

そのような中において、ある法律の成立について求める選挙があったとする。1つの選挙区内で賛成派の候補者が1名(Aとする)、反対派の候補者が2名(B・Cとする)いたとしよう。有権者数は計算のしやすいように1000人とする。A候補への投票者は400人、B候補には350人、C候補には250人だった。

この時最多票で当選を獲得したのはA候補だ。しかし、法律案に賛成する人の実数は1000人中400人で、反対派は600人いた。

A議員は政策で主張したとおりに議会で賛成の意見を示した。

一見多数決のように見えるこの選挙の流れも実際にはこのように政策への賛成者より反対者が、あるいはその逆のパターンも十分に起こり得るのだ。

これが1つの選挙区のみでの出来事であればそこまで重要な問題ではないが、全国各地の選挙でこれが起きれば実際に国民の半数以上が反対しているのに賛成で法案成立、またはその逆が起きるという事態が発生する。これは民意が正しく反映されていない。

選挙というのは全体の政策を見て判断されるケースや政党での投票を行う有権者も多く、主題となる法律以外ではこのような事態が多数発生していてもおかしくはない。

現に今日の大衆紙やSNSを騒がせている検察官の定年延長はそれを推し進める内閣支持率33%(朝日新聞報道)に対して今行うべき法案ではないとして反対したのが80%(朝日報道)であり、改正への理解は低い。また、内閣支持層においても反対派が先行している。(朝日報道)

このような欠点は国民の意見を反映させる民主主義にとってとても重大な欠陥であり、早急に改善が求められる部分である。


〇偽りの世論が反映される

議会制民主主義の欠点はそれだけではない。選挙のたびに政策が報道されるが、報道の内容によっては選挙の論点となる主軸の政策がずらさせることもある。今日で目立つのは憲法の改正議論だろう。憲法改正に報道等では論点が置かれているが、今日の与党である自由民主党は憲法草案こそ公開しているものの、議会において憲法改正についての発議を実際に行うことなく、総選挙を幾度も行ってきた。

報道やSNSの投稿によっては与党批判や野党批判による印象工作といっても過言ではない状況が展開されており、このような点からも「偽りの世論」が形成される可能性は非常に高い。

個人個人の高い情報リテラシ―をもとにした情報を精査し多角的に判断する能力が求められる。


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